前回は「中古車の価格は、状態がいい・悪いによってかなり違ってきますよ」というお話しでした。
今回は、『悪質な違法行為』または『安く見せかける行為』によって、ネットの中古車価格がバラバラでわかりづらくなっている ということについて、対処法を含めお伝えしていきたいと思います。
状態がいい車が相場より10万円から30万円以上安く売られているという場合は、この『悪質な違法行為』または『安く見せかける行為』のどちらかが隠れているのがほとんどです。
まず『悪質な違法行為』についてです。
よくあるのが次の2つです。
①修復歴(事故歴)がある車を『修復歴なし』と偽って販売する
②走行メーター数を実際より少なく偽って販売する
うーん。なんか見てるだけで気分が悪くなりますね (+_+)
僕的にはこういう違法行為をする車屋さんて、昔に比べてかなり減ったようなイメージがありましたが、いまだにけっこういるみたいですね。
↓ちょっと検索したらすぐに出てきました↓
ただこの2つの悪質な違法行為に関しては、以前書いた記事1-②、1-③の方法で防ぐことができますので必ず実践してくださいね!
つづきまして、『安く見せかける行為』とはどんなものなのか?ご説明します。
じつはこれ、今メチャクチャ多いんです。
これは『見せかけの安い価格』と呼ばれていて、ネットにウソの安い価格を表示して 実際はその値段では売らないというものです。
ざっくり言うと、ネットに『支払総額100万円』と表示しておきながら、「いざ購入」というタイミングで、保証やオプションの購入を強制したり、高い金利のローンを組ませたりして、最終的に120万円とか130万円とかに金額を上げる ということをします。
初めて聞く人からしたら「本当にそんなことあるの?」というような信じがたいお話ですが、最近では比較的マジメな印象だった車屋さんでさえ これをやっていたりするので、現在のネットはこれの全盛期みたいな状態になっています。
↓あまりに多いのでヤフーなどのネットニュースでも取り上げられてしまいました↓
では具体的にどうやって金額を上げるのか?
まず『保証やオプションを強制的に購入させる手法』についてご説明します。
これにはいくつか種類があるのですが、ここではよくある3つのパターンをご紹介します。
①10万円安く見せかける場合
ネットに表示されていた支払総額に『自動車税36.200円』『延長保証66.000円』を追加した見積書を提示します。
そして次のようなトークをします。
店員さん:「こちらの自動車税36.200円は、お客様がお車を何月に購入するかによって変動する税金なものですから別計算とさせていただいております。これはどこのお店も同じですのでご了承ください。」
さらに、
「それとこちらの延長保証料66.000円につきましては、きちんと保証をお付けして販売する というのが弊社の方針になっておりますので… それになにより保証に入っていれば、あとで何かあった時でも安心ですからね。」
と、こんな感じです。
これだけで102.200円上がります。
この手法は、比較的マジメそうな印象の車屋さんでよく採用されています。
最近では一部のメーカー系ディーラーの中古車販売店でも採用しているところがあります。
容認するわけではありませんが、これはこのあと紹介する②③と比べたらカワイイものです。「本当はこんなことしたくないけど、なんとか正直さを保ったうえで業界の激しい競争に対応していきたい」という葛藤が感じ取れるような手法です。
②30万円安く見せかける場合
10万円安く…の手法に加えて、見積書に『ボディコーティング130.000円』『安心メンテナンスパック68.200円』を勝手に追加します。
そして次のようなトークをします。
店員さん:「じつは今月限定ではあるのですが、すごくお得なボディコーティングのキャンペーンをやっておりまして、通常20万円のコーティングが、お車の購入と同時であれば特別に13万円でできちゃうんですよ! そしてこのコーティング、実際に94%以上のお客様が施工されていて、僕自身も自分の車に施工しているのですが、本当にいいコーティングなんですよ! 〇〇様もせっかく新しいお車を買うのですから絶対にやりましょう!」
さらに、
「こちらのメンテナンスパックも絶対にオススメです!たったの68.200円で3年分の点検とオイル交換が全部ついてきちゃうんですよ! すごくないですか? これなら車に詳しくなくてもとにかく安心して乗っていたくことができますし、実際にほとんどのお客様がパック付けといてよかった~とおっしゃっています。私どもとしてもお客様には常に安全な状態でお車に乗っていただきたいものですから、〇〇様も是非このパックを付けましょう!」
と、こんな感じです。
これで300.400円上がります。
この手法は、展示台数100台以上の大型店や未使用車専門店がよく採用しています。
③30万円~60万円以上 安く見せかける場合
30万円安く…の手法に加えて、ETC、ドライブレコーダー、タイヤなどのカー用品を勝手に見積りに追加して、そこへさらに割高な取付け工賃をプラスして販売します。もともと装備されていた足マットやドアバイザー(雨除け)を取り外して、それをオプションとして販売するお店もあります。
また、ネットではナビが付いているように掲載しておきながら実際は付いておらず、そのナビをオプションとして販売するお店まであります。
ここまでくると、もうなんのための支払総額表示なのかわからないレベルですよね。でも決して珍しい事例ではないんです。やはり展示台数100台以上の大型店と未使用車専門店ではよく採用されている手法です。
以上3つが よくある『保証やオプションを強制的に購入させる手法』です。
ちなみにこのような保証やオプションは断ることができないのか?というと、一部断れるものもあります。しかし全部断ることは不可能で、その場合は「ネットの価格では売れません」となります。
また実際ところ、あまりにも大きい差額に不信を持って成約せずに帰ってしまうお客様も多くいらっしゃいますが、それでも真面目に正直な価格を表示して商売するより、このやり方をした方が統計的にはたくさんの台数が売れてしまうんです。
つづきまして『高い金利でローンを組ませる手法』についてご説明します。
まずどれくらい高い金利なのか?といいますと、8%から11%の間で設定されていることが多く、なかでもよく使われているのが9.8%です。
トークは「ただしウチで〇年払いのローンを組んでください!」
これだけです。
これは車ではなくローン金利で儲ける仕組みになっています。
どういう仕組みになっているのか?
この金利9.8%と 当店の金利3.8%の金利手数料の差を比べるとよくわかります。
例えば支払総額230万円の車を6年払いで購入するとします。
金利3.8%の場合、金利手数料は約27.5万円です。
では金利9.8%の場合はどうでしょうか?
9.8%の場合の金利手数料は、なんと約75.1万円にもなります。
つまり、同じ230万円の車でも 金利の差で 最終的に支払う金額が、約47.6万円も高くなってしまうのです。
そしてこの差額の約47.6万円は、すべてその車屋さんの収入になる仕組みになっているのです。
これを『ローンバック』といいます。
このローンバックを利用して、安い価格でお客様を呼び込み、最終的には普通に売るより多くの利益を得ているわけです。
ちなみに現金で支払う場合や銀行のマイカーローンお利用する場合は、「ネットの価格では売れません」となります。
↓実際のローンシュミレーションがこちらです↓
以上が今ネットでメチャクチャ多い『安く見せかける手法』です。
本来はこのような購入条件を広告に記載していない場合は、公正取引協議会の規約第14条第8号で禁止している不当表示に該当し、罰則が科せられることになっていますが、なぜか中古車だけはこれがまかり通っているのが現状です。
なのでネットの価格は信用せず、またイメージや宣伝を安易に鵜呑みにせずに、必ず事前に問い合わせをして 購入条件と最終支払総額の確認をおこなうようにしてください。
事前に問い合わせをするときは、以下の方法でやっていただくのが良いと思います。
①問い合わせは、グーネットやカーセンサーネットの問合せ機能を使ってください。電話はダメです。まず本当の価格は言いません。
②以下の文面を『居住地』の部分だけ訂正してそのまま送信してください。やはり普通の「見積りお願いします」では本当の価格を回答しないことが多いです。
↓ここから↓
【見積依頼】
こちらの車の購入を検討しています。
実際に乗るのは私自身ですが、決裁者が別におります。
決裁者の承諾を得てからお店に伺いたいと考えておりますで、最終的な支払総額とその内訳を教えてください。
条件・要望は以下(1)~(8)のとおりです。
(1)居住地は〇〇県〇〇市です
(2)納車はお店に引き取りに行きます
(3)登録関係はすべてお願いします
(4)ボディ・車内の清掃は一般的な水準のものをお願いします
(5)代金は現金でお支払いします
(6)かわりに売却・処分する車はありません
(7)購入後のメンテナンスパック、有料の保証、コーティング、希望ナンバー、その他用品など、別途購入の類は一切不要です。
(8)支払総額・内訳は下記の各〇に金額を埋めていただければOKです。不足があれば追加してください。
※前述のとおり決裁者の承諾を得る必要がありますので、支払総額は必ずこれ以上1円もかかりませんという金額をご明記ください。
●支払総額:〇〇〇〇〇〇〇円
【内訳】
●車両本体価格(税込み):〇〇〇〇〇〇〇円
●法定点検費用、整備代(税込み):〇〇〇〇〇円
●自動車税環境性能割:〇〇〇〇〇円
●自動車税:〇〇〇〇〇円
●自動車重量税:〇〇〇〇〇円
●自賠責保険料:〇〇〇〇〇円
●リサイクル預託金 :〇〇〇〇〇円
●印紙代などその他法定費用:〇〇〇〇円
●登録代行手数料合計(税込み):〇〇〇〇〇円
●
●
以上ご回答お待ちしております。宜しくお願いいたします。
↑ここまで↑
本当は『やたらに安く掲載されている車は無視する』というのが1番いいのですが、やむを得ない場合はこの方法で確認してみるのがいいと思います。
~今回の記事はここまで~
もしわかりづらいことがあれば 遠慮なくご質問ください。
お問合せ方法は複数ありますので、下の緑ボタンを押して お好みの方法でご質問ください。